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看護師に関するニュース

医師90人がGoogleを提訴

2024年2月29日 AERAdot.

所管する厚生労働省の担当者も、 「個々の患者の状態は人それぞれであり、それをクチコミで書くことは誤った認識を読んだ人に与える恐れがあるため、医療広告の禁止事項に当てはまります」  と釘を刺す。  グーグルのポリシーがほとんど守られていないうえ、医療機関側から反論できないことに付け込んで、医者を脅す患者もいるという。 「俺のほしい薬を処方しないと悪口を書くぞ、と言う人もいます。医療費の支払いを踏み倒そうとした患者が、断れば低評価をつけるぞ、と医療機関を脅したケースもあります」  低評価のクチコミを書き込んだ後、クチコミ削除と引き換えに高額な金を支払わせようとしたケースや、高額な金銭を要求し、施設が断ると多数の悪いクチコミを書き込んだ事例もある。  そもそもグーグルマップに表示される情報は、病院とは関係のない人でも登録できる仕組みになっている。「嫌がらせ」のために「閉業」と書き込まれた病院もあったという。 ■クチコミ削除に高額要求  被害者の会には、悪いクチコミや低評価を恐れる医療機関に「悪いクチコミを消します」と持ちかける「削除ビジネス」の事例も寄せられているという。  この医師も先月、被害に遭いそうになった。 <あなたの病院のグーグルレビューを確認しましたが、結構、悪口が書かれていますね。それ、消しますよ>  そのような文面とともに、手の込んだ作りのパンフレットと名刺が郵送されてきた。 「もう『消しますよ』と書かれている時点で詐欺ですから。クチコミを削除できるのはグーグルか、それを書いた人しかいません。つまり、グーグル以外の人間がクチコミを消せると言うのは、100%できもしないことを言っているか、その人がクチコミを書き込んだ本人だということです。そのような脅迫みたいなことはちらほらあります」
■改善しないプラットホームを国も問題視  訴訟代理人の中澤佑一弁護士によると、訴訟における法律的なハードルは高く、厳しい戦いが予想されるという。 「違法な書き込みによって誰かの何らかの権利が侵害されたとしても、運営サイトについては一応免責が法律で認められていますから」  グーグルが提供するマップやレビューは社会インフラともなっているが、そこに多数の誹謗中傷が書き込まれていることは政府も把握している。  総務省が2018年に立ち上げた有識者会議「プラットフォームサービスに関する研究会」の調査によると、グーグルは日本国内に投稿の削除要請に対応する部署や責任者を置いていない。  これまで政府は誹謗中傷への対応を事業者に任せてきたが、1月31日に公表された「第三次とりまとめ(案)」では、改善が一部にとどまっている状況をふまえて法規制の必要性を求める内容になっている。  原告の医師は言う。 「医療機関だけでなく、多くの事業者が登録されているグーグルマップやレビューだからこそ、この状況を少しでも改善してほしい。そのための裁判です」  原告側が指摘する不適切なクチコミへの対応の遅れなどについて、編集部はグーグルに質問をしたが、期日までにグーグルからの返答はなかった。 (AERA dot.編集部・米倉昭仁)

超高齢化社会に「ハイスキル看護師」

2022年7月3日 日本経済新聞

少し昔の記事になりますが、高齢化社会が進み医師不足が深刻化しているなかで地域医療を支える新たな柱として診療看護師が注目されています。大学院にて診療看護師の資格を取得できれば一定の診療行為を行えるようになります。このハイスキル看護師は昨今の医療業界を救えるのでしょうか。
全国各地で既に診療看護師が活躍しています。アメリカでは診療看護師が診療所を開設しました。診療看護師は夜勤なく、資格手当として月に6万円ほどの報酬も付きます。診療看護師の資格を取得できるのは今のところ全国でも10か所ほどの大学院などに限られています。まだまだ少ないですが、これから増えていくことを期待しています。

看護師確保へ働き方改革 有給取得向上へ「計画助勤」 都立多摩北部医療センター 人材の相互派遣導入

2023年9月16日 日本経済新聞

関東・山梨は全国的にも看護師の有効求人倍率が高いエリアで、栃木県や埼玉県は結婚や出産などのライフイベントで一度現場を離れた「潜在看護師」の掘り起こしに力を入れている。個々の医療法人や訪問看護ステーションでは業務移管やITツールを活用した生産性向上の事例も多い。
「栄養管理はすべての治療の基盤です。適切な代謝・栄養管理は重症例の予後を改善します」。栃木県看護協会は宇都宮市郊外にあるとちぎ健康の森で7日、「看護職員再就業支援研修」を開いた。看護師として復帰を目指す約30人が「摂食・嚥下(えんげ)の基礎知識」に関する90分の講義を真剣に聞き入った。
栃木県内には潜在看護師が2000人以上いるとの見方もあり、医療・介護現場で人手不足が深刻化する中、復職への期待は大きい。同協会は県の委託を受けて2007年度から再就業支援研修を実施。対人関係に課題を抱えて復帰できない人もいるとみて、今年度は人間関係構築とコミュニケーションスキルに関する講義を新たに設けた。大半の講義が年末までの予定で、延べ300人近い申し込みがあった。
埼玉県は潜在看護師らを対象とした情報発信や相談体制を強化している。23年2月に画像投稿サービスの「インスタグラム」で県ナースセンターのアカウントを作り、再就職に役立つ情報などを発信している。23年度予算ではセンターの相談員を増強。よりきめ細かに就職先の候補を紹介できるようにした。
15年に「看護師等の人材確保の促進に関する法律」が一部改正され、看護師は仕事を辞める際に都道府県のナースセンターに自身の免許番号などを届け出ることが努力義務となっている。しかし「制度ができる前に看護職を離れた人には情報が届きにくい」(埼玉県医療人材課)という課題があった。22年度に約30回だった再就業技術講習会も23年度には40回に増やし、一度現場を離れた人との接点づくりに力を注ぐ。
厚生労働省は19年、看護人材の需給推計値を公表した。供給数(16年時点)を需要数(25年予想)で割った値が1を下回れば供給不足となる。関東・山梨でみると東京、千葉、埼玉、神奈川が大きく1を下回っている。22年度の有効求人倍率(保健師・助産師含む)を見ても関東・山梨エリアの人材不足は顕著で、茨城県(2.77倍)や埼玉県(2.76倍)など5都県が全国(2.14倍)を上回った。
こうした実情を踏まえると、現役看護師の母数を増やすだけでなく、生産性向上も課題となる。訪問看護ステーションを運営するLe-caldo(リカルド、埼玉県所沢市)は22年に電話対応専属部署を創設し、利用者や病院からの問い合わせの内容に応じて担当者に連絡をする体制を構築した。訪問先で電話対応をしなくて済むため作業効率が向上し、看護師全体の1カ月あたりの時間外労働時間が22時間から8.5時間に減った。同社によると訪問中で担当者に連絡がつかないという不安が解消され、利用者や家族の安心感にもつながっているという。
社長の若松冬美さんは、現場の生産性向上は「通過点」と強調する。「質の高い在宅ケアで不必要な救急搬送を減らしたり医療費を抑制したりし、地域全体に効果を波及させることがゴール」と話す。
東京都立多摩北部医療センター(東京都東村山市)は年次有給休暇を均等に取得できるよう、平時から人材を送り合う「計画助勤」という仕組みを導入している。20年度に15.8日だった平均の年次有給休暇は、21年度に17.6日と増えた。
現場負担の軽減にはデジタルトランスフォーメーション(DX)も欠かせない。横浜市立大学発スタートアップのCROSS SYNC(クロスシンク、横浜市)は患者の呼吸数や脈拍、最高血圧などから急変リスクを判断する人工知能(AI)システムを開発しており、24年にも実用化を目指している。横浜市立大学付属病院などで試験導入を進めている。
今後も新型コロナウイルス禍のような危機が訪れる可能性はある。人手不足に対処する先進事例の蓄積と共有は今後も重要になる。漸進的ではあるが、看護師の待遇改善に向けた議論も継続する必要がある。

静岡県湖西市、看護師確保へ浜松の専門学校に「地元枠」

2023年9月15日 日本経済新聞

東海4県でも自治体や団体が看護師の確保に奔走している。静岡県湖西市は浜松市と連携し、浜松市立の看護専門学校の生徒募集で湖西市内の医療機関への就職を前提とした特別枠を設ける。岐阜県は看護学生の実習先への支援を拡充し、愛知県や三重県では資格を持ちながら現場を離れた「潜在看護師」向けの研修を充実させている。
厚生労働省の調査によると、2020年末時点の人口10万人あたりの看護師・准看護師数は三重が1262人で東海4県で最も多かった。岐阜が1234人で続き、静岡は1115人、愛知は1031人だった。三重を除く3県は全国平均(1241人)を下回った。22年度平均の有効求人倍率(保健師・助産師・看護師)は三重が2.29倍、愛知が2.8倍などとなった。
静岡県湖西市は市内の医療機関に勤務する看護師を養成するため、24年入学から浜松市立看護専門学校に「湖西市枠」を設置する方針だ。両市が連携し、定員70人のうち最大3人を湖西市の医療機関で将来勤務すると確約した学生に充てる。
湖西市が同枠の適用を希望する学生を募集し、書類選考や面接を行う。そのうえで希望者は同校を通常と同じ選考方法や基準で受験する。合格すると正式に湖西市枠として決定し、同市から3年間の授業料相当の支援を受けられる。湖西市の担当者は「市内の病院は看護師不足が深刻で、長く働いてくれる看護師を確実に確保したかった」と話す。
岐阜県は看護学生の実習を新たに受け入れたり、人数を拡充したりする病院や高齢者施設などに対し、実習にかかる備品や看護用具の経費、実習指導者の代替職員の人件費などを補助している。
県の担当者は「看護学生は実習先の職場環境や雰囲気を気に入り、そのまま就職するケースも多い」と話す。岐阜県では実習施設の確保が課題となっており、受け入れ先の負担を減らすことで実習生が県外に流れるのを食い止める。
23年度からは看護師の教育体制も強化した。病院や看護師養成所などで働く人が看護教員養成の講習会を受講する際、受講経費と旅費の一部を所属先に補助する制度も新設した。県外の講習にも出向きやすくし、看護師養成の根幹となる教員を拡充する。
愛知や三重では「潜在看護師」の復職や就業を促すため、行政や団体が研修を充実させている。
看護師向けの職業紹介を行う愛知県ナースセンターは、22年から現役の看護師や看護師免許を持つ人向けに研修を開いている。胃に直接栄養分を注入する「経管栄養」やたんの吸引などの実習を週3回行う。
今年9月には採血やたんの吸引についての講義と実習を行った。半年前に離職して再就職をめざしている参加者の23歳女性は「学生時代に学んだことを確認できた安心感がある。患者を適切にケアするためにも大事だ」と話す。研修は23年4〜7月にのべ170人から参加申し込みがあった。22年度は未就業だった研修参加者の3割が就業したという。
三重県も再就職を希望する有資格者を対象に、看護領域の基礎知識・技術の習得を目的とした研修を実施している。さらに23年度から県訪問看護ステーション協議会に委託し、訪問看護に携わる看護師の研修を始めた。「医療分野別に看護師の偏在があり、訪問看護の人材が足りない」(医療人材課)現状を改善させたい考えだ。

こども病院で患者死亡 術後に不備、謝罪

2023年9月7日 共同通信

神奈川県立こども医療センター(横浜市)で2021年、手術を受けた子どもが死亡し、有識者らの調査委員会が医療事故として術後対応や医療体制の不備を指摘していたことが7日、センターが公表した報告書で分かった。センターの黒田達夫総長は記者会見で、不備を認めて謝罪した。
神奈川県立こども医療センター(横浜市)で2021年、手術を受けた子どもが死亡し、有識者らの調査委員会が医療事故として術後対応や医療体制の不備を指摘していたことが7日、センターが公表した報告書で分かった。センターの黒田達夫総長は記者会見で、不備を認めて謝罪した。

看護の専門分野をマッチングアプリで

2023年6月30日 読売新聞

看護師側のやりたい専門分野と、病院側の求めている人材とをマッチングアプリで結ぶ取り組みが始まっています。
看護師のキャリア形成の後押しをするとともに、好きな分野の仕事をすることができるため、持続的に働き続けてもらえるという利点も生まれます。
こちらのアプリを考案したのは、2022年の1月に創業したばかりのジストリーという福岡県にある企業です。
看護師のみならず、薬剤師や医師などにもこのマッチングアプリを広げていきたい考えです。

「仕事を辞めたい看護師が8割」の衝撃…給料が安く休みがない深刻な現実を「看護の日」に考える

2023年5月12日 現代ビジネス

5月12日は、フローレンス・ナイチンゲールの生誕にちなんだ「看護の日」。新型コロナウイルスの感染拡大でイベント自粛の期間があったが、例年、看護の日を中心に看護に関するシンポジウムや街頭で看護師による市民への健康チェックなどが行われる。

著書『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』でも、コロナの影響によって夜勤回数が激増した看護師の生活ぶりをルポしたが、激務のあまり看護師は毎年10人に1人が辞めているのが現状だ。コロナ禍を経て看護師の離職はますます深刻な状況になっている。

5月8日からはコロナが感染症法上で最も低い位置づけの「5類感染症」になり、明るいニュースが増える一方、悲壮なまでの医療現場の奮闘が忘れられようとしてはいないか。看護の日をきっかけに、改めて看護師の労働実態に目を向けたい。

患者を簡単にベッドに拘束…
「病院では、患者さんに簡単に抑制帯をつけてベッドに拘束していました。患者さんを雑に扱う、そんな病院だったのかとショックでした。コロナで倫理観が揺らぎ、看護師も傷つきました。心身共に疲れて、消耗して、辞めていくナースが増えました」

新型コロナウイルスの感染拡大で野戦病院と化した現場では、看護師に患者と丁寧にかかわる余裕などなくなる。認知症で徘徊する可能性があり、じっとしていられない患者が転倒でもすれば危険だからと、ベッドに拘束していたという。

5月9日、東京・中野で都内の労働組合が「看護の日」にちなんだイベントを行った。医療の産別労組の日本医療労働組合連合会が1989年から全国各地で続ける「ナースウェーブ」というイベントで、東京では東京地方医療労働組合連合会や都立病院労組などがつくる東京医療関連労働組合協議会が主催した。

コロナが5月8日から「5類感染症」になったことへの現場の懸念は大きく、「コロナで何が起こったか振り返る必要性がある」との声が高まった。

同協議会傘下の病院や訪問看護の現場から集まった7人の看護師がシンポジウムに登壇した。そのうちの一人、感染症の専門病院で働く看護師が、コロナ禍のなかでの労働実態を振り返った。

「防護服を着ていったんコロナ病棟に入れば勤務が終わるまでコロナ病棟から出られません。トイレに行くこともままならず、膀胱炎になりかけながら汗だくになって働きました。もともと寝たきりの人がコロナに感染してコロナ病棟に入院すると、看護だけでなく介護も必要で負担は大きかったです。看護師や家族がコロナになって次々にスタッフが休むと、これからいったいどうなるのかという思いになりました」

24時間、365日患者を看る病棟では、看護師が3交代や2交代のシフトで切れ目なく働く。3交代の場合、「日勤」(おおむね8時から17時)、「準夜勤」(おおむね16時から翌1時)、「深夜勤」(おおむね0時から9時)をメインとするシフトを組む。2交代の場合は、「準夜勤」と「深夜勤」をセットにする形で16時から翌8時頃までの16時間拘束の夜勤になるケースが多い。

ガイドラインや労使協定では、夜勤回数は3交代で月に8回以内、2交代で4回以内が求められているが、ある有名病院(1000床規模)の看護師は、コロナに対応するため夜勤が増え、長時間労働となっていると話した。

「(コロナ患者に対応する)HCU(高度治療室)では3交代の夜勤が12回になっています。同じくコロナの重症患者をみるICU(集中治療室)は、今年度から夜勤が今までの3交代から2交代に変わりました。夜勤に合わせて日勤まで長時間になり、朝8時から夜8時過ぎまでの12時間の勤務になりました。去年は90人もの看護師が辞めてしまいました」

救急医療を担う現場からは「人手が足りず、3交代の夜勤が月12~13回に及んでいます。救急で来た患者さんが治療を受けるのに、180分待ちということもあります。手術時間の延長や緊急オペも多く、看護師は疲れ果てて次々に辞めてしまうので定着しません」という実情が語られた。

他の病院でも、次々に看護師が感染して人手が足りなくなり、早番で15時30分までの勤務のはずでも、仕事が終わるのが20時30分ということも。看護師が感染して療養期間が明けるとすぐに出勤を命じられ、体力が回復しないまま夜勤も含めてフル勤務。夜勤が連続することもあったという。

新人ナースがコロナ患者から感染し、療養期間を過ぎても精神的なダメージを受けて出勤できなくなり、そのまま夏に退職してしまったことを悔やむベテランナースの発言もあった。

ある看護師は、「私たち医療の現場はコロナの3年の間ずっと頑張ってきて、(市中で感染しないよう)私生活も拘束されてもきました。コロナが5類になって、世間はコロナのことを忘れて騒いでいる」と憤りが隠せない。

「5類になっても、コロナがなくなるわけではない」というのが医療現場の共通した思いだ。そして「5類になることでコロナの検査が有料になるため、熱が出ても検査しないまま外を歩く人もいるだろう。それでまた感染が拡大するのではないか」「難病を抱える子どもや高齢者への感染リスクが増してしまうのではないか」と戦々恐々としている。

そもそもコロナと関係なく、医療現場の看護師の労働問題を原因とする人員不足は、長年の課題だ。

ナースウェーブでは日本医療労働組合連合会の中央執行委員の松田加寿美さんが講演を行い、2022年10~12月に保健師、助産師、看護師、准看護師を対象に行った「看護職員の労働実態調査」(回答数3万5933人)の結果を報告した。

看護師の疲弊ぶりは深刻で、7割の看護師が健康不安を訴えている。時間外労働が多く休憩時間が十分に取れないほど健康不安を感じており、夜勤で休憩が「取れていない」というケースが準夜勤で4割、深夜勤で3割に上った。慢性疲労を8割が訴え、日勤だけの勤務よりも夜勤のある看護師のほうが10ポイント高かった。

仕事を辞めたい看護師が8割に上り、理由(3つまで選択)のトップは「人手不足できつい」(58.1%)、2位「賃金が安い」(42.6%)、3位「休暇がとれない」(32.6%)、4位「夜勤がつらい」(23.6%)、5位「達成感がない」(23.1%)、6位「職場の人間関係」(20.1%)だった。同調査は約5年ごとに30年以上続けられており、この傾向は変わっていない。

自治体職員を中心とした労働組合の全日本自治体労働組合(自治労)の調査からも、看護師の過酷な労働実態が分かる。

自治労の衛生医療評議会が2022年11月~23年1月に行った「医療職場で働く組合員へのアンケート調査結果」(回答数9682件、看護師以外の医療職を含む)では、2022年1月以降のうつ的症状の有無を尋ねており、27%が「ある」と答えた。

また、職員のコロナ感染や濃厚接触などによる休みのための急な勤務変更や休日出勤があったかどうかについて、76.3%が「ある」と答え、コロナ感染拡大前より休暇が取りにくくなったと47%が答えている。「現在の職場を辞めたいと思うか」の問いに、72.3%が「辞めたい」と答えている。辞めたい理由のダントツトップが「業務が多忙」だった。

安心して看護を受けられるように
そうしたなかでは看護師はバーンアウト。冒頭のように、良い看護ができる状況ではなくなる。

前述したシンポジウムで感染症専門病院のベテラン護師は「患者さんに喜んでもらえた時に、この仕事をしていて良かったと感じられます。それなのに、看護やケアというよりは業務をこなすことで忙しく、患者さんが何か訴えても待たせるばかり。落ち着いて患者さんと話をして、分かり合えてこそ、治療も進みます。患者さんのやる気を引き出し、良い看護をするには人手が必要です」と話した。

別の病院のベテラン看護師も「病気や事故に遭えば不幸なことに感じてしまいますが、そのなかでも、この病院で看護師と出会えてよかったと思える看護がしたい。それを実現するために、看護師自らが労働を変えていくことが必要です」と続けた。

ナースウェーブの集会後、約150人の看護師らが東京・中野駅前で看護師増員や処遇改善を訴える署名運動を行うと、高齢者やスーツ姿の若い男性などが次々にペンを手にとって署名に応えた。

患者や家族からすれば、疲弊して今にも辞めそうな看護師に担当しては欲しくないだろう。しかし、7割から8割もの看護師が辞めたいと思いながら働いているのが現状だ。安心して看護を受けられるよう看護師の労働に目を向け、改善につなげたい。

看護師の大量退職で病床稼働率を最大7割に 鹿児島市立病院 コロナ禍の過酷な職場状況も要因か

2023年4月4日 MBC南日本放送

鹿児島市立病院が今月から、一般の入院病床の稼働率を最大7割まで減らすことが分かりました。緊急性がない手術を延期する可能性があるとしています。

鹿児島市立病院は、内科や外科などの診療に加えて、救急や周産期医療などを担う県の中核病院の一つです。病床数は574と鹿児島大学病院に次ぐ規模で、救急などを除いた一般の入院病床はおよそ400床です。

病院への取材で、今月から入院病床の稼働率を最大で7割まで減らすことが分かりました。去年の夏、新型コロナのピーク時に病床がひっ迫した際の稼働率と同じ程度になる見通しで、「緊急性がない手術を延期する可能性がある」としています。

背景にあるのが看護師の退職で、ここ数年は50人ほどでしたが、昨年度はおよそ70人に上りました。病院は各地で見られるようなコロナ禍での過酷な職場環境が要因の一つとみています。

(鹿児島市立病院 新穂昌和事務局長)「このような多くの看護師の退職は非常に痛いところ。残ってもらう取り組みを進めていく必要がある。(病床稼働率を最大7割にするのは)初めてのこと。緊急性を要する患者は、これまで通り引き受ける予定」。

病院は「退職者とほぼ同数の看護師を採用できた」としていますが、数か月の研修が必要なため、病床の制限は6月ごろまで続く予定です。

病院は今年度から看護師の退職を防ぐため「チューター制度」を設け、先輩が悩みを聞くなどの取り組みを進める方針です。

看護師・介護士の賃上げ検証へ 経営状況の報告義務化

2023年1月31日  日本経済新聞から抜粋

介護現場の待遇改善が欠かせない

厚生労働省は看護師や介護士の賃上げに向け、医療法人や介護事業者への監督を強める。2023年度以降、事業者に経営状況の報告を義務付け、処遇改善の取り組みを検証する。これまで進めてきた報酬改定や事業者への補助に対して、現場に行き渡っているかが分かりにくいとの見方があった。就業者の1割強を占める医療・福祉分野の賃金の底上げを目指す。

医療や介護は人手不足が深刻だ。厚生労働白書によると、40年には医療・福祉分野で96万人の人材不足が見込まれる。看護や介護は専門の資格を求められるうえに、仕事は厳しい。処遇を良くしなければ、十分な人材を集められない。

政府は診療報酬と介護報酬の改定や補助金で賃上げに取り組んできた。介護は09年度の報酬改定から賃上げ分が反映され、19年度の月額の報酬は08年度に比べ7万5000円の引き上げとなった。

実際の賃金には十分に波及していないもようだ。公的価格評価検討委員会(座長、増田寛也日本郵政社長)がまとめた月額賃金(賞与含む)では20年までの8年間の増加額が3万8000円にとどまった。厚労省の賃金構造基本統計調査によると、介護士を含む介護職員の21年の平均月収は25万600円(賞与含まず)で、全産業平均の33万4800円を下回った。

背景には政策面の支援と処遇の決まり方の間のずれがある。例えば介護は12年に、報酬改定による加算を介護士に配分することを事業者が証明する制度が導入された。ただ、分配の方法は事業者に任され、対象外の職種もある。煩雑な手続きを嫌って報酬を受け取らない事業所もあり、施設によって処遇に差がある。

政府は看護師や介護士、保育士らの給与増をめざして21年に公的価格評価検討委員会を設置した。同委員会は公的支援の前提として、事業者の経営状況を詳しく調べる必要があるとした。

厚労省はこれを受け、医療と介護の両分野で施設ごとに経営状況の報告制度を設ける。材料費や水道光熱費といった経費、収益などのデータを年1回報告してもらう。経営が安定しているのに職員への処遇が良くないケースなどを把握できるようになる。

看護師や介護士の賃金は一般の企業と同じように、事業所ごとのルールに基づいて決まる。財務情報を開示する上場企業に比べると経営の実態が分かりにくい。詳細なデータを行政が把握すれば、実態を踏まえた公費の投入ができる。

データベースを整備し、地域や病床規模、サービスなどの分類ごとに厚労省が分析して公表する方針だ。医療法と介護保険法の改正を想定し、医療は23年度、介護は24年度からの運用を目指す。

厚労省は介護については、施設ごとの職員1人あたり給与の報告を受ける。結果は個人が特定できない形にして、厚労省の介護情報サイトで開示することを検討する。

医療分野の職種別の給与の提出は医療法人の任意とする。人数が少ない職種の場合に個人の待遇が特定されかねなかったり、事務負担が重かったりすることに配慮する。公的価格評価検討委員会は医療法人の給与データの提出について「義務化も含めて検討すべき」と再検討を求める。

医療機関の経営透明化はコロナ対応の補助金を巡っても必要性が指摘されている。厚労省が2年に1度実施する医療経済実態調査によると、20年度の医療法人の1施設あたりの損益は191万1000円の黒字だったが、コロナ対応の補助金を含めると4199万5000円にまで黒字が増えた。

財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は「医療機関の経営状況を迅速かつ広範に把握できないことが、財政支援が過大となる一因」と指摘している。現在も医療分野では2年ごとの医療経済実態調査で経営状況を調べているが、厚労省は新たな制度で調査頻度を増やし、対象を拡大する。

高齢化による若い職員の減少やコロナ対応などで、医療・介護の現場は厳しい状況が続く。公費の適切な活用を進めるには経営状況の透明化が欠かせない。

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